皆さん、明けましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願いします。

2年前に、灘高校の生徒と、ハーバード大学とMITを訪問した時のことですが、同大学の入学を取り仕切っている責任者や大学生達と、入学に関して質疑応答を行いました。

その中で、素晴らしいと思ったのが、両大学とも、大学の4年間は、一般教養（Liberal Arts）に集中しで人間性を養うことに主眼を置く事にし、高度な専門課程は大学院で学ぶという方針にしたことです。それに伴い、合格の条件として、高校時代の成績ではなく、「将来、社会に対して、どのような貢献をしたいか？勉強以外のことで、どの様な事に興味を持っているか？勉強以外の事でどの様な事を高校時代にやってきたか？」ということを重視することにしたそうです。

その様な方針に至った理由は、「2008年に起きたリーマンショックだそうです。あの時、ジャンク債を開発したのは、成績優秀なハーバード大学とMITの卒業生だったそうです。頭の良い彼等は、危険だけれど儲かりそうな債券を開発しました。債権は、またたく間に世界中で販売されました。その結果は、ご存知の様に、世界中の人や企業に多大な損害を与え、一瞬にして世界経済をどん底に落としました。その経験より、「学生には、まず人間性や人間力を学ぶことが必要との認識に至ったそうです。そして、それまでの学力偏重の教育を改め、大学ではLiberal Artsを中心に学び、高度な専門については大学院で学ぶ」という体制に変更したという事でした。

この時、思い出されたのが、私が日本でホンダにエンジニアとして勤務していた時、何度も聞いた本田宗一郎の言葉でした。私が入社した時、本田宗一郎は、「ホンダに入ったからには、技術の勉強はしなくてよい」と言われ、驚きました。これはエンジニアとはいえ、人間力が重要で、人間力がつけば、技術力はついて来る、という教えでした。

初代Accordを開発する前、「君達は人間力をつけないと、お客様が心から喜ばれる様なクルマは開発できないよ」と言われ、「人間とは？価値観とは？ホンモノとは？宗教とは？・・・を研究しなさい」と言われ、約1年かけて研究しました。また、ホンダブレーンと言われる、各界で活躍されている本田宗一郎のブレーンの方々、一人ずつと懇談もしました。

Accordを開発した2年間も含めて、この3-4年間は、私にとって、最高に楽しく、充実した期間でした。今思えば、会社でこんな事ができるなんて夢の様な経験だったと思います。

良い教育は人を作ります。人が成長すれば企業は発展し、国も発展します。学校だけが教育機関ではありませんが、アメリカの高校、大学、大学院の教育は、人の面にも光を当てているので、素晴らしい教育だと思います。一方、日本にも、国の「トビタテ留学」という制度が発足し、奨学金で留学できるようになりました。高校生と大学生の皆様は、この制度を大いに活用して、海外に羽ばたいて欲しいです。

Did you know that there is research that shows that when teachers have high expectations of their students, the students perform better? On the other hand, when teachers have low expectations of their students, the students do not perform as well.

Since January is a time to set goals for the new year, I'd like to share some thoughts based on this educational theory, and that is that expectation can be applied to any relationship. Furthermore, expectations will influence others. For example, if a parent has high expectations for their child, the child will rise up to those expectations. Conversely, if a parent has low expectations, the child will likely not achieve as much. Even among friends, if we believe in them and expect great things of them, they will respond positively.

My main argument is that we need to have high expectations for ourselves. Why not? If we aim low, we will end up low. If we aim high, we can accomplish more. Let’s set our targets high and have high expectations for ourselves. Big expectations are the start of big dreams coming true.

Happy New Year!