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留学体験 - 江口昇吾さん

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いよいよNATA公認アスレティック・トレーナーとしてスタート

江口昇吾さん
2012年6月、South Dakota State University(SDSU)のAthletic Trainingプログラム 修士課程を卒業し、NATA-BOCの試験にも合格。 Radford University(バージニア州)に就職決定。

SDSU修士課程入学までの体験は、以前書きましたが、この度、無事に卒業することが出来ました。また、NATA-BOCの試験にも合格し、就職先も決まりました。今は、新しい職場で、アスレティック・トレーナーとしての経験を積み、腕を磨こうと張り切っています。

ここでの学生生活で一番辛かったのは、実は勉強ではなくて、「冬の寒さ」でした。以前住んでいたカリフォルニアの気候とは全く異なり、寒い時は、体感温度が-50℃。内陸部で、さえぎるものが無いので、まともに風が吹きつけます。戸外でー20℃、室内は25℃くらいなので、体調を整えるのに苦労しました。でも、その厳しい冬を乗り越えると、精神的に強くなり、どこでもやっていける!と思えました。

学部に比べると、大学院は、卒論があるぶん忙しかったですが、勉強が大変だと思ったことはありません。楽しかったです。むしろ入学するまでの言葉の壁の方が大きく感じました。TOEFL スコアを上げるのにも苦労しましたが、入学時の面接でも、ネイティブの学生が競争相手であり、自分のやる気をどう伝えるかに苦心しました。でも、おかげで9人受けた内の3人に入り、ATプログラム始まって以来、初めての日本人となりました。

大学院に入学するまでに300時間のオブザベーションが必要ですが、院のプログラムに入ってからも、卒業までに1500時間必要です。インターンシップをどこでやるかは、学生がリクエストできます。私は、夏休みの間、SDSUのフットボールチームのサマートレーニングに参加しました。それ以外にも、1500時間をこなすために、ほとんど毎週、現場に出ていました。

この地方は、カリフォルニアと違って、リクレーション施設もありません。冬は雪が積もり、通学前に雪かきしなと学校に行けないので、ほとんど勉強と実習に明け暮れました。でも、土地が広々としており、家の敷地と同じくらいの広さの庭で、キャンプファイアーをし、友達と酒を飲みながら語り合ったのは楽しい思い出です。又厳しい冬が終わると、いっせいに花が咲き、春が訪れ、自然の素晴らしさも感じました。それに田舎なので、生活費が断然安く、学費も安いので、バイトもせず、奨学金無しでもやっていけました。

NATA-BOCテストは、思ったより簡単でした。通常合格率は60%と言われていますが、うちの大学は100%でした。ということは、ここのプログラム自体が良いのだと思います。就職活動は、NATAのホームページに載っている求人情報を見て、カバーレター、履歴書、推薦状、レファレンスを送付しました。30校に送り、5校から面接のオファーがあり、最初に合格した所に決めました。通常はNATAのコンベンションに行って就活をしますが、私はそれよりも早く就職が決まったので、行きませんでした。友達の中には、幾ら履歴書を送ってもどこからも返事が無いという人もいるのでラッキーだったと思います。

就職先は、Radford University(バージニア州)です。スポーツが盛んな私立大学で、球技、特に野球のチームが強く、毎年2,3人の選手はプロのドラフトにスカウトされています。アメリカでは、大学や大学院卒業後、OPT((Optional Practical Training)を利用して1年間働くことができます。私もOPTビザなので、1年契約です。その後は、頑張って認められて契約更新するか、或いは他の就職先を見つけるつもりです。

最後に、これからアスレティックトレーナー留学をしようと考えている人へのアドバイスを幾つか書きたいと思います。アメリカで学ぶメリットの第一はレベルが高いことです。アスレティックトレーナーになりたいなら、アメリカです。ただ、アメリカに来る前に、できるだけ英語を勉強することをお勧めします。アメリカに来てからゆっくり英語を・・・ではなく、アメリカへは、大学又は大学院に入るために来る!というくらいの気持ちで、早めに英語に取り組んでおくと良いと思います。

又、日本の大学を卒業してから留学しようと考えている人には、卒業してからではなく、アメリカ4大編入をお勧めします。私は、1年間学部で事前履修科目を取ってすぐに大学院に進んだので、実務経験がありませんでした。学部編入し卒業すると、OPTで1年間働くことができます。院に進む前に実務経験を積んでおく方が良いと思いました。こうすると、学部を卒業して1年、院を卒業して1年と2回働くことができます。 余談ですが、全体の流れとして、アスレティック・トレーニング学科は、学部プログラムを減らして、大学院プログラムを増やす傾向にあると言われています。医療分野と重なる部分もあり、学士ではなく修士にすべきという声が強まっているからです。

私が考える「理想のアスレティック・トレーナー」は、一人一人のアスリートに合ったケアができる人。身体と共に、メンタルなケアも大事なので、うまくコミニュケーションを取りつつ、自分を信頼してもらえるように努めたいと思います。信頼が無ければ心を開いてもらえません。理想のアスレティックトレーナー目指して、日々成長していきたいと思います。NATAのグローバル化が叫ばれており、他国でやってみたいという気持ちもあります。とにかく高いレベルを維持したいので、一ヶ所に安住することなく、様々なことにチェレンジしていくつもりです。
(2012年7月)