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留学体験 - 宇佐見愛さん

自分の好きなことを仕事に。

宇佐見愛さん
東京都出身。ドイツ留学の経験もあるトリリンガル。 2005年のピラティスインストラクター資格取得プログラムに参加。 現在スタジオヨギーにてピラティスインストラクターとして活躍中。 自分の好きなことを仕事に。

5歳の時より石澤秀子氏(英国ロイヤルバレエ団プリンシパル吉田都育ての親)のもとでクラシックバレエを習い始める。バレエを通してカナダ・ミツバテクニック、ヨガなど様々なエクササイズを学びピラティスに出会う。2005年、IGEピラティス留学プログラムに参加し、ドリー・ケラペスに師事。ネバダ州立大学公認のピラティスインストラクター。現在は、バレエダンサーとして活動しつスタジオ・ヨギーでピラティスの指導及び普及に努める。ドイツ、アメリカ留学を経験し3ヶ国語を話すトリリンガル。

「好きなことを仕事にしたい。」それは、かつてからの私の願いだった。結婚を機に3年間勤めたソニーを退職。上司や同僚にも恵まれ、新居も会社の近くだったので、何で辞めちゃうの?と周りから不思議がられた。でも私にとって理由は明白だった。「もっと好きなことを仕事にしたい。」

退職後は専業主婦をしながら、5歳から習っているクラシックバレエのレッスンに専念した。もともと体を動かすのが好きな私はタップダンスを始めたり、新たな自己発見のためアナウンスの勉強なんかもしてみた。自分磨きのために、時間を費やしてレッスンを受けるのは楽しいけれど、いずれは貯金も底をつくし、なんとか仕事に出来ないかなぁと考え始めた。

そんな時、頭に思い浮かんだのがピラティス。日本では、ここ2、3年でブームになっているピラティスだが、欧米ではかなり前から主流のエクササイズだ。バレエを通して、それまでに整体に関わる様々なエクササイズを学んできた。カナダのミツバテクニック、ヨガ、気功など。自分にぴったり合うエクササイズを求めているうちに、ピラティスに出会う。それまで自分が体を整えるためにやってきたエクササイズと、共通点をたくさん見つけることができた。

ピラティスに出会った時は、難しい証明問題がスルスルと解けていくときの感覚と似ていた。解剖学に基づいて考えられたピラティスは、曖昧さがまるでない。エクササイズごとに、意識する筋肉だったり、呼吸の流れだったり、きちんと道筋が通っている。なんとなく動かしていた体を、体の構造から考えるようになったり、動きを分析してみたり、ピラティスは私に新たな世界を教えてくれた。

より深く知りたい。そう思い立ってピラティス留学を決めた。いくつかあるピラティスメソッドの中から、私が選んだのはDKメソッドだった。プロフェッショナルなバレリーナーとして活躍していたドリー・ケラペスのピラティス。ドリーは長年のダンサーとしての経験から、体を知り尽くしている達人。そんな彼女が考案したピラティスは、私に一番合っていると思えた。バレエの要素もたくさん組み込まれていたし、動きに無駄がなく的確だからだ。

実際の留学生活は、想像以上に大変だった。ネイティブの生徒に混じっての、資格取得講座。バレエのレッスンをこなしていた私にとっても、何時間にも及ぶ実技は身に堪えたし、ましてや英語による解剖学の座学は、慣れるまでかなりの時間がかかった。それでも最後まで頑張ることができたのは、熱心なドリーの指導や、一緒に参加した仲間たちのお陰だ。ショービズの本場ラスベガスという街で学べたことも、良い経験になった。その雰囲気や熱気に、私も頑張らなきゃと励まされた。

ピラティスの知識はもちろん、留学で得たことはたくさんあるが、中でも一番嬉しかったことは、やっぱりドリーに出会えたことと、仲間に出会えたこと。帰国後も何かあると相談したり、集まったりして、私にとって大切な仲間だ。昨年の9月には、地方でのワークショップも実現できた。それぞれ違うスタジオで働いたり、普段は別々だけれど、同じメソッドを学んできた仲間として、これからも情報交換をしたり、お互い切磋琢磨していければなぁと思う。

私は現在、スタジオ・ヨギーを主にして、ピラティスの指導と普及に努めている。生徒さんから質問を受けることによって、新たな発見があったり、わかりやすく伝えるために色々なアプローチを考えたり、毎日が勉強になっている。多くの人にピラティスを体験してほしい。自分も成長しながら、好きなことを仕事にしている今、いっぱい幸せを感じている。