スタッフ記事 < アメリカ留学と奨学金〜その@ > IGEアメリカ 野田哲郎
皆様の中には、今年2月号の「海外留学と奨学金」という記事で、日本で得ることの出来る留学奨学金についてご紹介したのを、覚えている方もおられると思います。今月のメルマガでは、留学先での奨学金(IGEの場合はアメリカ)について書かせていただきます。アメリカは日本の奨学金とはシステムが異なる面が多く、情報も多岐に亘りますので、数回のメルマガに分けて書きたいと思います。今回はパート1です。
ひょっとして「留学生がアメリカで奨学金なんてもらえるの??」と思われている方も多いのではないでしょうか。実はもらえるチャンスは数多くあるのです。ほんの一例ですが、日本の高校卒業後、直接ハーバード大学に留学した日本人留学生のインタビュー記事がありますので、是非読んでみて下さい。(記事はこちら → ハーバード学部生が語る留学のススメ!)
この記事の留学生は、何と年間300〜450万円もの奨学金付(それも返却不要な給付型)でハーバードに入学しているのです。更には、学生が自主的に行う海外での課外活動にも、支援金のような形で奨学金が出ています。日本の大学ではまずないことでしょう。ハーバードは公表されている学費は非常に高いのですが、その一方で、奨学金制度が充実し、ほぼすべての学生が奨学金を得ていると言われています。ハーバードの例はアメリカの奨学金システムの特徴をよく表しており、大学によって金額の差はあるものの、決して特殊な事例ではありません。結論から先に言えば、「留学生がアメリカの大学で奨学金を得るチャンスは多いにある」ということなのです。
その背景ですが、ハーバードを含むアメリカの一流大学は財政が豊かであり、分かりやすく言えばお金持ちなので、沢山奨学金を出すことが出来ます。極端に言えば、一流大学であるほど財政が豊かだと言って良いですし、逆に財政を豊かにする努力をしないと一流大学にはなれない、あるいは大学として生き残れないと言っても過言ではありません。
財政が豊かな理由を簡単にまとめると、次の3つに集約されます。大学によっては、数年間学生から授業料を取らなくても経営して行けるほど、財力がある大学もあります。
【財政が豊かな理由】
- 卒業生、企業、各種団体、個人、地域などからの寄付が大変多い。
- 大学(教授や研究室)が生み出した新技術やアイデアなどを、単独or企業と共同で積極的にビジネスにして利益を上げている。
- そのようにして得た寄付金や利益を、投資信託、不動産、有望企業への投資などでしっかり運用し、長年の歴史の中で着実に運用益を積み上げ、基金として蓄積している。
どの理由も日本の大学とは非常に異なる点です。そして「財政が豊かになると一流大学になれる」のは、次のような好循環のサイクルにより実現します。
「奨学金を沢山出せるので、世界中から優秀な学生を集めることができる」→「優秀な学生は、卒業後世界中で多いに活躍する」→「そのことにより大学の社会的な評価が高まり、益々優秀な学生や教授が多く集まる」→「優秀な学生や教授が集まれば、研究や教育のレベルが上がり、大学の評価もますます高まる」→「評価が高まった大学には、多額の寄付金や支援金が集まる(成功した卒業生、大学から新技術を得たい企業、大学と関係を深めたい企業・団体etc.)」→「その結果、さらに財政が豊かになり、ますます奨学金を充実させることができる」
ハーバードは象徴的な例としても、それ以外の多くの大学も同じように、良いサイクルを実現しようと努めているのです。留学生も努力次第で、奨学金を得られるチャンスが多いにありますので、是非希望を持って留学にチャレンジしてください。
さてここまで読んで来ると、次のような質問も出てくるかと思います。「一流大学で優秀な学生でないと奨学金はもらえないの?」。「どうすれば奨学金をもらえるの?」これらについては、次の機会に書かせていただきたいと思います。乞うご期待!
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