留学体験 - 天野絵利さん
州立大卒業後、コマーシャルの世界へ。
日本、もしくはアメリカ。
大学卒業間近、私の頭の中はこの事ばかりよぎっていました。夢叶って入れたアメリカチアリーディングの世界に夢中になり、勉強もアメリカ人に負けまいと一生懸命両立していた大学生活。その大学生活も終わりに近づき、就職という新たな課題が目の前にはありました。
私が本格的に就職活動を始めたのは遅く、4年生になってからでした。当時はまだ、日本かアメリカ、どちらで働きたいのか自分の中ではまだ決まっていませんでした。 今では多くのアメリカ、イギリス留学生が参加しているボストンキャリアフォーラム。 それに参加し、日本の企業にアプローチしつつ、アメリカの電話帳を目の前に、米国企業にコンタクトを取っていたのが最後のセメスター。 当時は沢山の方から日本の就職を勧められました。 “日系企業は帰国子女を欲しがっている” “日本の企業はアメリカで学んだ新卒生を積極的に募集している””待遇がいい” それに比べてアメリカ企業は、まず、語学力の問題、そして日本ではトレーニング期間が新卒生にあるのに対し、アメリカは雇用後すぐ使えるスキルがあるかどうかが重要視されるということ、さらに労働ビザ取得という厚い壁が立ちはだかっていました。 しかし、その過程の中で、どこまで自分が社会人としてアメリカでやっていけるかチャレンジしてみたい、今のこの若さだからこそトライしてみたい!と自分の中で感じ始め、卒業後はOPTプログラムを使いながら、様々な米国企業にアプローチしました。
そして、アジアンマーケットを専門にサービスを提供している某広告代理店のPR/イベント部門に就職する事が出来ました。 そこでは、米国大手クライアントに、アジア系アメリカ人向けの広告、PR、イベント、マーケットリサーチなどマーケティングの総合サービスを提供しています。現在私は、入社2年目を迎えました。
仕事内容は、それぞれのクライアントの依頼に基づき、どの人種/セグメントをターゲットに、どういったカタチで商品やサービスを宣伝していくかという所から始まります。 例えば、大手自動車会社から、”中国系、ベトナム系アメリカ人をターゲットにブランディングしたい”という依頼があった場合、まず購買ターゲット層を絞り、そのターゲット層の多くが参加するイベントを選択、そしてそのイベントのスポンサー内容を交渉します。次に、購買ターゲット層にあったモデル車の展示、ブースで実施される催しや無料プレミアム配布などの提案、ブース用のスタッフトレーニングも含め、全体の現場コーディネーションをします。更にクライアント用のイベント挨拶文作成、プレスリリース配信、メディアリレーション、イベント終了後のリポート作成といった目立たない役割も私達の仕事です。 これ以外に過去に私が携わったイベントは、全米規模で行われたSpelling Bee, 著名人のコンサート、各種プレスコンファレンス、フィルムフェスティバルなど、多種多彩なイベントをコーディネーションしてきました。
この仕事を始めた当初は予想以上に陰の仕事が多く、理想と現実の違いに困惑したときもありました。しかし、アメリカの広告代理店で働いている自分は、沢山のチャンスに恵まれていると思います。 例えば、出張などで違う地域を訪れ新しいモノをみる事ができ、様々なイベントに参加し沢山の人に出逢える事。そして、多彩な人種を相手に仕事する上で、文化、習慣、考え方の違いに触れられるという事。会社も積極的に社員育成に取り組み、変動するアジアンマーケットに率先して外部の講習やセミナーなどを受講できる機会を社員に提供しています。
私は将来、今以上にマーケティングの知識や人脈を広げ、日本とアメリカ間を橋渡しできる、他にはないユニークなカタチのマーケティング、コンサルティング会社を作りたいと思っています。