スタッフ記事 < アメリカ留学と奨学金〜そのA > IGEジャパン 野田哲郎
8月号の「アメリカ留学と奨学金」という記事で、留学先で奨学金を得られることについて書かせていただきました。非常に多くの反応が寄せられたため、続編を書くことになりました。8月号をご覧いただいた皆様は覚えているかも知れませんが、テーマは「どうすれば奨学金をもらえるの?」及び「一流大学で優秀な学生でないと、奨学金はもらえないの?」です。
最初に「どうすれば奨学金をもらえるの?」から。
アメリカの大学、大学院には「Financial Aid Office」(分かりやすく言うと奨学金の相談所)や「International Student Office」(留学生向けの相談所)というものがあり、まずそこで相談することになります。入学後だけでなく、出願する時にコンタクトしてもOKです。そこで奨学金応募に必要なことをアドバイスしてくれます。それを元に奨学金を申請しますが、相当優秀な学生であれば、入学前に学校から奨学金提供の申し出がある場合もあります。学業だけでなく、スポーツ、芸術、文化、社会貢献などの分野も対象になり(いわゆる一芸に秀でた人物)、IGEの留学生では、大きなダンスの大会で優勝し、それが評価されて、奨学金付で4年制大学のダンス学科に進んだ女子学生がいました。学校は世界中から出来るだけ優秀な学生を集めて、大学の社会的評価を高めたいので、そういう学生には奨学金を出します。メルマガ8月号に書いたように、社会的な評価が高くなるほど、大学には企業や団体、個人、OBからの寄付も多く集まるのです。
入学後は、担当の教授と日頃から良くコミュニケーションを取り、親密な関係になっておくことが重要です。そうすれば教授に奨学金のことを相談すれば、「こういう奨学金があるから応募したらどうか、その場合は推薦状を書いてあげよう」という話になりやすいからです。その場合、成績はもちろん大切なのですが、勉強以外の活動や家庭の事情、教授からの推薦状などを含めて、総合的に判断されます。
あと急な家庭の事情などで、本当に授業料の支払いに困った時も、担当教授や上記の学校のオフィスは相談に乗ってくれます。支払いの繰り延べや分割払いを始め、一部減免などの可能性もあります。
奨学金に限らず、アメリカの場合自分がまず動くことで、チャンスをつかむ事が出来ます。意思表示もせずにじっとしていて、他人が手を差し伸べてくれることはまずありません。教授、友人、学校のオフィスなど、日頃から「自分は奨学金をゲットしたいのだ」という意思を持って、どうすれば良いのか情報収集し動くことが重要です。
次に「一流大学で優秀な学生でないと、奨学金はもらえないの?」です。
これは奨学金とは少々性格が異なり、対象は大学院レベルがメインになりますが、アメリカの大学には「アシスタントシップ」というものがあります。これは日本の大学でも最近増えてきたようなので、皆さんもご存知かも知れません。これは学内で週10〜20時間程度、授業、研究、事務などの手伝いをし、報酬あるいは学費の減免を得るシステムです。
これには、Teaching Assistant(TA)、Research Assistant(RA)、Administrative Assistant(AA)などの種類があります。TAは教授の授業や実習、それに関連する庶務の手伝い、RAは教授の研究・実験・調査等の手伝い、AAは留学生課や学事課などでの、学校の事務の手伝いです。これも前記のように、担当の教授と日頃から良くコミュニケーションを取り、親密な関係になっておくことが重要です。そうすることで、得られるチャンスが多くなります。
最後にいわゆるアルバイトについてです。
留学生は「学校内での仕事」と「学校外でも、学校が認めた仕事」という条件付ですが、週20時間を上限にアルバイトが可能です(夏休みなどはフルタイムもOK)。仕事は、学内であれば、図書館や食堂の手伝い、備品の片付け、学校行事の臨時スタッフ、その他様々です。学外の場合は、図書館や市役所、それに自分の専攻に関係する職種(例えば、ジャーナリズム専攻であれば、新聞社や雑誌社、TV局です。
これらについても教授、友人、学校のオフィスなど、日頃から情報収集に努めておくことが必要です。ただしこれで得られる報酬は金額が限られており、あくまでも小遣いや食費の足しという感覚です。
以上のように、アメリカでも奨学金やそれ以外の形で留学資金を得るチャンスは数多くありますので、皆さんも是非トライして下さい。
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