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留学体験 - 湯澤 霞さん

もっと介護の勉強をしたい

湯澤 霞さん
アメリカの高齢者福祉の現状を学ぶために短期研修

私が大学を卒業してすぐに高齢者介護の仕事に就きたいと思ったのは、老いることへの恐怖心、高齢化社会への不安をなくしたい、という強い使命感からです。嫌悪されがちな老いや、死という事柄に真剣に向き合い、人生を最後までその人らしく伸びやかに生き抜くことができるような社会を実現したいと思っています。

老人ホームでの勤務を1年過ぎた頃、日本で高齢化が進んでいる今、歳を重ねても生きやすい環境づくりに自分も何か貢献できないかと焦っていました。周りを見てみると、職場で共に働く仲間は、自分より人生経験も介護業界での経験も多い方々ばかりでした。高齢化がピークになると言われている2025年まであと10年… 社会が抱える介護の問題を解決するには経験や勉強がまだ全く足りていない私ですが、日々現場にて経験を積む他に、何か特出したことをしようと思い始めました。自分が他の人より得意かもしれないことで、介護関連の事を勉強しようと思い、父の出張で4年半過ごしたカナダで学んだ英語が少しでも役に立てば… と、会社に1ヶ月休暇をもらい、他国の高齢者福祉を覗きに行くことにしました。そのうちの一週間をアメリカで、IGEの皆様にお世話になりました。

日本で最初に面談をしていただいた際は、とても丁寧に、そして熱心に、IGEのカウンセラーの方が、私がこれからやりたいこと、そのために見てみたいものに耳を傾けてくださり、アメリカにいらっしゃるコーディネーターの方と、私の一週間の留学スケジュールをつくってくださいました。自立されている方々が住む設備が整った高齢者施設や、認知症の方が住んでおられる(日本でいう)グループホーム、認知症の方々やその家族たちを支援する大規模なNPOなど。私の希望に沿ってあちこち連れて行っていただき、コーディネーターさんが私に付いて通訳をしてくださいました。英語での介護の専門用語や、そもそものアメリカの社会システムを知らない私に、現地に住んでおられるコーディネーターさんが知識を共有してフォローして下さり、理解を深めることができました。また、1日は、介護施設でシャドウイングをさせてもらい、現場を体験することもできました。

海外に行き何かダイレクトに日本に活かせるものを見てこよう、という計画的な留学ではなく、とりあえず自分に何かできないかしら、という、より楽天的な気持ちでのスタートだったかもしれませんが、スタッフの皆様がしっかりサポートしてくださり、毎日楽しく、考え深く、過ごさせていただきました。施設にお邪魔させていただいて、はっきりと見えてきたものよりも、知らないことの多さに圧倒されたり、自分の思い込んできた理想が崩れて、よけいわからないことが増えたり、日本で見てきたものと比較して、一人もやもやしてみたり、、、ということのほうが多かったかもしれません。しかし留学が終わっても気抜けすることなく、今までよりも介護の勉強をしようとわくわくとした気持ちになっています。この経験を通して、自分の問題意識がはっきりとし、学習意欲が湧いたと感じております。

 

日々の現場で煮詰まってしまった気持ちを少し変えて介護について考えてみたい、見てみたい方に、すごくおすすめしたいです。