留学体験 - 大矢卓明さん
留学で得たもの~英語力アップと多文化の理解~
今回、たくさんの方の助けにより、2013年3月から約9か月間のアメリカ留学に行って参りました。それはとても刺激的で、ここに書ききれないぐらい多くのことを学びました。その中から特筆すべき点として、英語力のアップと多文化の理解の二つが挙げられます。
まず一つ目の英語力のアップについて、これはアメリカ留学を行うにあたって、なくてはならないものです。University of California,IrvineのESLプログラムで学びましたが、主にリスニングとスピーキング、それに続いてライティングが改善されました。最初の3か月はうまく相手の言うことを聞き取ることができず、また理解できてもその返事を繰り出すのに時間がかかってしまい、すごくもどかしい思いをしたのを覚えています。
しかし、5か月目あたりからは自然と英語が耳に入ってくるようになり、英語を使ってコミュニケーションをとることに楽しさを覚えてきました。あきらめず英語を日常で使い続けたことの成果がでたものだと考えています。周りには非常に多くの日本人がいましたが、彼らとの会話は極力英語で行うようにし、また英語話者(アメリカ人)の友達を多く作るように心がけました。そういった意味で、毎週金曜日のパーティー(Thank God, It’s Friday!と言って彼らにとって非常に重要な日なのです)が大きな役割を果たしたと言えるでしょう。
ライティングは学校で厳しい指導を受け、最初はたかだかA4 1枚のエッセイを書ききるのに苦労していたのが、最終的には十枚強のリサーチペーパー(論文の様なもの)を書けるところまで成長しました。実は、この英語の文章を組み立てる能力というのは非常に有用で、今現在この体験談を書く上でも役立っています。このように英語力が上昇したことは非常に嬉しく、これだけでも留学した甲斐がありました。
そして2つ目、多文化の理解ですが、これは留学前には全くもって予期していなかったものです。当初はアメリカ人と英語のみを話して、アメリカ文化に溶け込むものだと思っていました。しかし、私が通った学校には多くの国からの留学生がおり、彼らとの交流が非常に多く、そして楽しかったです。韓国、中国、台湾、タイ、ブラジル、チリ、ペルー、スペイン、フランス、イタリア、サウジアラビア、クウェートとこれこそ挙げ始めたらきりがないです。彼らと交流して分かったのが、自分が非常に狭いビジョンを持って世界を見ていたということ、すなわち悪い言葉を使って言いかえると、偏見を多く持っていたということです。他愛の無い会話から、その国の流行や政治など話題のジャンルは多岐にわたりました。そこで分かったことは、私たちは個人レベルでは非常に似通っているということでした。この国の人だからこんな人だ、そんな方程式などないのです。主に政治がこの簡単な共通性を見えなくしているのです。こんな風に書くと非常に重々しく感じられますが、これがアメリカで私が得たことのうちの一つなのです。
私が今回あげた2つの点、英語力改善と多文化理解は誰にだってできるでしょう。ただそこに行きつくまで、つまり留学を行うまでが意外と大変です。私は最初、留学そのものに反対でした。というのも、うまく言葉が通じない外国で長く過ごすことに恐怖と不安を感じていたからです。しかし一度渡米してしまえば、努力は必要ですが、あとはなすがままです。留学する上で必要なのは英語の基礎力でしょうか?それともコミュニケーション能力でしょうか?私が考えるに、それを行うための勇気が一番必要だと思います。