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留学体験 - 河島広幸さん

日本の不登校生、アメリカで大学教授をめざす

河島広幸さん
19才 福島県白河市出身。

私は「好奇心」という言葉がとても好きで、自分を表す言葉としても、最適だと思っています。あるとき、私はアメリカに対して好奇心を持ちました。その文化、言語、環境、風俗、人間性、等々。そして、私の祖父母を説得するのに、盛んに「好奇心」という言葉を用いて話をしました。

さてアメリカに来てあっという間の半年ですが、色々あったような、なかったような。まず英語が全然わからなかったわけです。なぜかといえば、いわゆる英語の教育を全然受けていなかったからです。

私は学校に行っていなかった、いわゆる不登校生というやつでした。まともに学校に行ってないわけですから無論、英語の授業も受けてはいないという事になります。高校は、単位制 通信制課程、などという極めて特殊な学校に行っていたため、私の英語力など皆無に等しい。という経緯上アメリカに来て初めて、まともでアカデミックな英語のクラスを受けることになりました。

「いやぁ~辛かったですねぇ。なにせ先生の言っている事はおろか同クラスの生徒の英語も理解不能でしたから」その中で最も辛いことは、クラスメートとの共同作業です。私はただ黙るだけの一時間半、彼らには大変迷惑かけました。

一週間が過ぎ、二週間が過ぎて毎日同じ作業を繰り返していくうちに、段々と「慣れ」というものが出てきました。凄いですね人間って、言葉がわからなくても、その場の雰囲気で何とかなるもので、しだいに私も発言をできるようになり、クラスメートとの共同作業にもなんとか参加出来るようになりました。

そんな時に思ったのですが、「この国にいる人は聞く耳を持っているなと」私は彼らに、「私は英語が喋れません(ICAN‘TSPEAKENGLISH)」と言うと、彼らはとても親切に「いったいこいつは何が言いたいのだろうと」きちんと聞いてくれるのです。もし日本にいる人であれば相手にもしてくれないかもしれません。

とにもかくにも、最近の自分の英語力といえば、チーズバーガーをオーダーするのに何の苦労もなくなりました。とりあえず自分の言いたいことは、ある程度言えるようになりました。この国の人達は、自分の欲しいものを「欲しい」と言わないと、何にもしてくれない人達ですから。

実は、私は哲学者になりたい!という理由でアメリカに来ました。現在の英語学校を卒業したら、コミュニティカレッジに行くつもりです。そしてその後、アメリカの4大に行くという決意をしました。専攻は実践哲学です。

そのために今は、英語の勉強とTOEFLの勉強を取り組んでいます。学校では週に2回ほどその為のクラスも取っています。しかし点数の方は上がったり、下がったりしています。

でも、このアメリカだから、僕の夢が実現できるという確信が持てるようになりました。不登校生でも哲学者になれるのです。

アメリカは、本当に楽しいです。又、外から見る日本は実に変に思えますし、外に出なければわからない事もたくさんあります。もしアメリカに行けるなら行くべきだと、私は思います。英語力なんて関係ないですよ。良い例がこうやって体験談を書いているのですからです。

無論、年齢、性別、体の障害なんかは、この国で勉強するには、ほとんど意味を持たないと思います。なぜなら、そういった人達が、現にこちらでは学生をしているからです。苦労もありますが、それは日本にいても同じことですし、私はこれから様々な経験、そして勉強をし、アメリカ生活を楽しんでいきたいと思います。