HOME > 留学体験記 > 様々な奨学金を受けながらNATA大学院2年目

留学体験 - 井出智広さん

様々な奨学金を受けながらNATA大学院2年目

井出智広さん
日本の大学在学中に出願準備を始め、University of Nebraska at Omaha, Master of Arts in Athletic Trainingに合格。卒業後、2020年に渡米。今年で2年目の学生生活や奨学金についてお話します。

みなさんこんにちは。University of Nebraska at Omaha, Master of Arts in Athletic Training 2年の井出智広です。前回は出願から合格までの体験談を書かせていただきましたが、今回はプログラムが始まって1年以上が過ぎたこれまでの学生生活と、奨学金について書かせていただきます。

まずは学生生活について。プログラムは昨年(2020年)の7月に夏学期が始まりましたが、新型コロナウイルスの影響でオンライン授業となり、渡米もできなかったので日本から授業を受けました。プログラムが始まって1ヶ月後の8月上旬に渡米して、8月中旬には6週間の集中的な夏学期が終了しました。
夏学期が終わってから1週間後の8月下旬、秋学期としてプログラムが本格的にスタートしました。基本的な平日のスケジュールは、朝からお昼までの午前中は授業で、午後・夕方に実習を行います。

実習先は高校・大学・プロスポーツ(アイスホッケーもしくはサッカー)、クリニック(理学療法や病院・大学内の一般向け)などが通常の実習先の選択肢となります。

IGE Newsletter
IGE Newsletter

大学スポーツが実習先になる場合は、ある特定のスポーツチームで実習するのに対して、高校では複数のスポーツチームの対応をします。また、実習先によって実習が始まる時間、経験できる内容等が変わってきます。2年間のうちでそれら全て(高校/大学 上肢/下肢 性別 年齢層 スポーツ特性)カバーできるように実習先のリクエストをDirectorの方々に考慮していただいた上で割り振られます。

唯一、2年目の夏は少し特別となり、自分のペースで進められるオンライン授業を受けつつ、サマーインターンシップを行います。インターンシップは大学プログラムの一環で、実習先は州内に限らず、全米どこでも(ATCの方がSupervisorになることが前提なので日本でも可)選ぶことができます。このチャンスを利用して、州内では選択肢となり得なかった実習先(大学・プロアメリカンフットボールやMLBなど)が選択肢となるので、取り組み方次第では2年間のうちで少なくとも一度は、自分が将来の進路先と見据える環境で経験を積む機会が得られます。

授業に関して、ここでは特に深い内容には触れませんが、BOCの試験を受けるために必要な内容は2年目の秋学期までで全てカバーされるので、一番早い1-2月のWindowでBOCの試験を受けることが可能です。その分、2年秋学期終了までの授業内容は特に内容の濃いものとなりますが、その分毎日が充実します。

続いて奨学金についてですが、私が通う大学では毎学期6単位分、学部から(おそらく留学生向けに)州外と州内の学費の差分が奨学金として返ってきます。私はそこにプラスして、Directorの方にノミネートしていただいたおかげで、大学院からも奨学金をいただいているので、学費の半分以上は奨学金として返ってきています。また、修士論文を書く・書かないは選択となりますが、もし取り組むとすればGRACAという大学から研究費として$5,000をいただくことができ、そのうちの半分はStipendとして自分のものとなります。他にも、大学内・外に奨学金のチャンスはたくさんあるので、例として以下に私がこれまでいただいた経済サポートを記させていただきます。

The Advantage Scholarship-Graduate School
The Advantage Scholarship- College of Education, Health, and Human Sciences
Graduate Research and Creative Activity Grant (GRACA)
Wayne and Mary Claire Wagner Scholarship (Athletic Training at UNO)
NSATA Student Research Grant
PBATS Scholarship (Dr. Clarence Livingood Scholarship)

この他にも大きな奨学金のチャンスとすればNATAの奨学金や各々のDistrictのものがあります。キャンパス内であればパートタイムで働くこともできますが、やはり奨学金による経済サポートはとても大きな支えになるので、私も卒業までは色々申請しようと思っています。

IGE Newsletter

大学内・外の奨学金の情報はProgramのDirectorの方から学生たちに共有されて、申請したい人は誰でも申請できます。中でも、PBATS (Professional Baseball Athletic Trainers’ Association) の奨学金は全米で4人しか受け取ることができない、とても競争率の高いものでした。

情報が入ってすぐに、「申請したい!」と思ったので、すぐにDirectorの方に申請したい旨を伝えて、ある程度申請の準備(主に申請理由でなぜBaseballのAthletic Trainerになりたいのか、きっかけ、将来のキャリア目標、奨学金がどのような助成になるか)ができたら、Directorの方とミーティングをして、修正とアドバイスをしていただき、数日後、再度修正したものを見てもらい、細かい修正をもう一度してから申請準備完了となりました。その準備をする間に、推薦状を書いて欲しい方に連絡をしてお願いします。その際に、締め切り申請前に十分余裕を持って連絡を取ることお勧めします。

PBATSの奨学金は一例ですが、他にも履歴書が必要になる奨学金機会もあるので、時間に余裕がある時にある程度のベースの履歴書を作っておき、申請したい先に合わせて修正・付け足しをするといいと思います。また、どの奨学金も「申請理由」は必ず聞かれます。その際に、自分がどうして申請したいのか、Athletic trainerとして将来どうしたいのか、それに向かう上でその奨学金がどのようなサポートになるのかを具体的に書けるようにしてください。

モノによりますが、字数制限がないものもあるので、自分が伝えたいことを存分に書くことも可能です。(でもなるべく簡潔に)いただく経済的サポートも計り知れないほどありがたいものになりますが、それと同時に履歴書に記載できるものとなるので、色んな意味で今後のキャリアアップを目指す上で貴重なものになります。

奨学金・研究補助金によって、大学に関わる費用(Tuition/Tech/Library/その他諸々のFees)のおよそ6-7割をカバーできていると思います。そこにプラスして、寮費・食費・車のガソリン代等の生活費、Insurance等の費用がかかります。ちなみに、寮費はUtilityコスト(電気・水道代など)含めて月$700弱で、大学から推奨されるHealth Insuranceは年間で$3,000程です。

最後に、プログラムが始まってから今日まで、授業・実習ともに全力で取り組んできました。特に初めの頃は英語が大きな壁となり、悩んだ時期もあります。しかし、授業が終わったらすぐに実習に行き、許される限りひたすら実習を行ってきた結果、留学当初と比べるとだいぶ自信がついて、やれることが断然に増え、日々充実した学び・経験ができています。実習時間も1年目で1,100時間を超えました。勉強や実習の頑張りを評価していただいているおかげか、奨学金を申請する際に必要となる推薦状をお願いする時は、みなさん快く引き受けてくださいます。体調第一でありつつ、滅多にできない「ワクワクの苦労」の経験は、これからNATA留学を考える皆さんに一人でも多く味わっていただきたいです。私の体験談が少しでもそんな皆さんの参考になれば幸いです。

注)井出さんのUNO合格までの体験記はこちらをご覧ください。
https://weexchange.com/taikenki/nata20200212/

注)井出さんの体験記を読まれて質問などがある場合は、下記のURLから遠慮なくご連絡下さい。IGEスタッフが丁寧にお答えいたします。
https://weexchange.com/contact/