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2015年5月25日

衝撃的なアメリカの大学授業と身につく能力 – Vol.001

先日、ご縁のある私立の中・高一貫教育を行っている学校の留学フェアにおいて「アメリカと日本の大学の違い」というテーマについてお話させて頂く機会を頂きました。既に様々な所で入試制度の違いやら、システムの違い等が話されているので、僕がアメリカ大学留学時代に衝撃を受けた授業を1つ紹介します。

アメリカのコミュニティカレッジでの歴史の授業

その授業は、僕がようやくTOEFLの成績を上げ、晴れてカリフォルニアのコミュニティカレッジに通い始めた最初のセメスター(学期)で取った、「American History 101」というアメリカの初期の歴史を学ぶクラスでした。

まず、授業の初日で先生が高らかに宣言されたのが、

「このクラスでは君たちが高校生時代にやってきたような年号と歴史的イベント等を暗記して、それに答えるというようなテストは一切やらない。」

と、こう言いました。歴史の授業で年号等を覚えたりする必要は一切ないと言われたことがまず衝撃でした。

続いて先生は用意されたテキストの2冊を手にこう言われました。

「テストは期末の一回だけ。それは今ここにある2つの違った視点から書かれた、アメリカの初期の歴史を題材にした本を交互に読んでいき、期末には自分がサポートする視点を、自分の判断で決めて、どうしてそう思うかという論文を書いてください。テストはその1問だけです。」

用意されたテキストは2冊で、1冊は従来のコロンブスの視点から書かれた新大陸=アメリカ大陸発見と発展の歴史。もう一冊は反対にアメリカ原住民の視点で、コロンブスを略奪者として描いた歴史。
ネイティブアメリカン vs コロンブス
これまた衝撃でした。
アメリカの公立大学の教授が、今でも多くのアメリカ人が「英雄」と捉えているコロンブスの視点とは全く逆の視点を持って書かれた本を教材として採用したこともそうですし、そもそも大学1年生の自分達に自らの頭で良く考え、立場をはっきりと選ばせて論文を書かせるというテスト内容そのものにも衝撃を受けました。そして、衝撃と受けると同時に、「これはすごい!アメリカの大学の授業はなんて面白いんだ!」と素直に感動したことを覚えています。アメリカ大学生活のスタート段階でこのような授業に巡り合ったことは、僕にとって非常に幸運だったと思います。

アメリカの大学の授業から身につく能力

後々に大学生活を送っていくうちにわかったことですが、アメリカの大学では、とにかくエッセイ(論文)がテストになることが多いのです。そして、そのような授業を繰り返し、繰り返し受けて単位を取っていくと、身についてくる能力とは何か?
ちなみに、アメリカの大学を卒業する頃には英語でアメリカ人とアメリカの政治や歴史について討論できるレベルにまでなっていましたが、それは当たり前のことです。ですから英語力ではありません。僕が考える、アメリカの大学で身につく、最も有益な能力は下記の二つです:

1. 想定外の問題に直面した時に自分の頭で考え解決する能力
2. 何もないところから新しい考え方を生み出して伝える能力

この2つの能力こそが、僕のアメリカ大学生活とその後就職して仕事をしていく上で、とても役にたったスキルです。

まず、第一の「自分の頭で考え解決する能力」は本当に重要です。皆さんの人生でも数多くの「想定外な問題」が発生すると思います。その時に、人のアドバイスを参考にするのは良いとして、最終的には自身の頭でとことん考えて、その時ベストだと思える解決策を決定して、その策を実際に行動に移すという能力です。この能力が十分に養われていないと、いつまで経っても親や周りの人間に頼るばかりで、「自分本来の、誰のものでもない、自分が主役の人生」を生きるということにならないのではないでしょうか。解決策がいつも上手くゆくとは限りませんが、自分で決めて行動した結果なので、少なくとも「後悔」の念は生まれません。

次に「新しい考えを生み出して伝える能力」ですが、こちらも今後の社会を生きていく上で、とても重要だと考えます。日本では何か新しいことをしようとすると、必ずといって良い程、周りから「やめた方が良い」とか「慎重に考えた方が良い」等というアドバイスを受けることが多いです。もっと悪い場合は、周りが抵抗勢力のようになって、結託してその新しいアイデアを潰そうとしてしまうケースもあります。実際に僕も仕事で何度もこの壁にぶつかっています。その時に必要なスキルは、そのアイデアを上手に「伝える能力」になります。
人はひとりではできる事に限りがあるので、上手に伝えて、必要な人を上手く巻き込んでゆく力です。僕がアメリカ大学生活の後半を過ごしたUCLAのスピーチクラスでは、この「上手く伝える」という点を特に鍛えられました。

外に飛び出してみる勇気が必要

「これからの日本はグローバルな視点をもった人材が必要だ」というように叫ばれるようになってから、もうかなり時間が経っています。グローバルに活躍できる人材の必須条件として「高いコミュニケーション能力」と「高い問題解決能力」というのが、ある経済団体から発表されています。アメリカの大学の授業には、僕が実際に経験したように、それらの能力を開発して養っていく土壌があります。日本に留まっているだけでは、なかなか身に付きにくいこのような能力を付けて、独立独歩の人生を歩んでいくためにも、一歩外へ踏み出してみる勇気が必要だと強く感じます。

IGEスタッフ Hiroshi

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