2018年9月29日
アメリカでホームスクールが身近な訳 ! – vol.78
先日のこと。
平日の朝、散歩をしていると、公園の駐車場に大きなトラックが?何かの撮影クルー??と思ってよくみたら、
PROJECT-BASED HOME SCHOOLING -Mobile Science Lab-
と書いてありました。ホームスクールをしている子供達を対象にした、移動式サイエンス・ラボのようです。
会社のホームページによると、教員資格を持ったスタッフが、科学、技術、数学、アートを教えると書いてありました。
そういえば、留学生がお世話になったホストファミリーの中にも、ホームスクールをしている家族がありました。両親は教師で、家には、色々な図鑑や世界地図が置いてあり、広い裏庭では、ニワトリやウサギを飼っていました。
日本ではあまりなじみがありませんが、アメリカでは、けっこう身近にホームスクールをしている人たちがいます。ホームスクールというのは、文字通り、学校へ通学することなしに自宅で学習して、正規の学校教育に代える教育です。教えるのは親ですが、何家族かで一緒に教えている場合もあります。
ホームスクールを選ぶ理由の第一は、学校教育、特に公立学校での教育に対する不安や不満です。暴力やドラッグなどで安心して子供を預けられない、画一的な教育ではなく、自分の子供の個性に応じて、その子の長所を伸ばしたいというもの。「学校に合わないから」というよりも、「より良い教育を求めて」積極的にホームスクールを選択するケースが増えてきているように感じます。
確かに、時間の余裕と、しっかりした教育カリキュラム、子供に教えられるだけの知識と指導力が自分にあれば、それも良いかと思いますが、親の負担は大きそうです。
でも、アメリカでは、ホームスクールを法的に支援する団体や関連ウェブサイトがあり、ホームスクール生の教育サポートをする団体や教材会社もあります。私が公園で目にしたサイエンスラボもその一つ。
オンライン授業なども現れ、経験豊かで技量に恵まれた先生の授業を家庭で受けることも可能になってきました。あるレポートによると、ホームスクール生は、標準的な学力テストで平均よりスコアが高い、ボランティアやスポーツなどに定期的に参加しており、自己肯定感やリーダーシップなど、心理的、社会的にも安定しているそうです。
多様な学生を受け入れたい大学も、ホームスクール生を積極的に受け入れているようになっているそうですから、ホームスクールを選ぶ人たちがますます増えるかもしれませんね。
ただし、個人主義のアメリカと異なり、他人と違うことをするには抵抗がある日本では、ホームスクールが定着するには時間がかかりそうです。
IGE Staff Sadami
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